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2011.11.11

ながめせしまに、

ある女性のことをずっと想って・・・
など、およそこのブログと自分には似つかわしくないことを綴ってみる。それは伝説と化した美女・醜女の「小野小町」のことである。

その名前は知っていても、百人一首に有名な
 「花の色は 移りにけりな いたづらに、わが身よにふる ながめせしまに」は知っていても・・・他には?と問われれば、

 六歌仙で、宮廷に仕え、在原業平らと歌を交わした。
 年老いて乞食となって果てた事。
 九相図
 あなの無い女
 小野箼の隠し子

 くらいで。しかも下のふたつは、家の本棚が偏っているせいで、とても真実には怪しい。そのためこれを期にいろいろ読んでみた。

 ・・・・が、いい感じに酔っぱらってきたので、まただらだらとひとり喋ってしまいそうだ。続きは別にしよう。
        PUCEPHALAS

(続きはコメントで掲載しました。小野小町、SPICE からくり本 に興味ある方は読んでみてください)

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(ブログの続き)

ある女性のことをずっと想って・・・
など、およそこのブログと自分には似つかわしくないことを綴ってみる。それは伝説と化した美女・醜女の「小野小町」のことである。

その名前は知っていても、百人一首に有名な
 「花の色は移りにけりないたづらに、わが身世にふるながめせしまに」は知っていても・・・他には?と問われれば、

 六歌仙で、宮廷に仕え、在原業平らと歌を交わした。
 年老いて乞食となって果てた事。
 九相図
 あなの無い女
 小野箼の隠し子

 くらいで。しかも下のふたつは、家の本棚が偏っているせいで、とても真実には怪しい。そのためこれを期に色々読んでみた。
 面白いのは、夢に関する歌と、老いてゆく自分を寂しく詠んだような歌が目立つ。待つ女の気持ちを代弁し・・・そうだろうか、小野小町の夢見な歌はそんなものとは違うのだろう。
 
 数々の男だけでなく帝の誘いも振ってしまったとの話しから、彼女は男と接する事ができない女性であったとの伝説ができあがった。待ち針の言い伝えである。
これはとても興味深いが、そうなると夢の歌が軽くなってしまう。
 では、
 60歳代で亡くなったという説もあれば、百歳の姿を模した絵も残る。そして死して髑髏となったあとも成仏できないでいる。
 なぜ乞食に身をやつしてまでひとり生き続けるのか。深草少将に祟られて。と、卒塔婆小町などにはあるが、

 夢をずっと見続けていたかったから。
 
 と考えるのはどうだろう。真面目な研究者には叱られるだろうが、物語とするにはおもしろく、また、そうであったかと思わせるヒントもあった。
 紀貫之が小町の例えに、「衣通姫の流れなり」と語っていること。
 衣通姫は絶世の美女といわれ、古事記によると皇女であるが兄妹との禁忌な恋愛が発覚し心中したと記される。日本書紀では違い、皇后の妹であったがその美しさに帝が一目惚れした。しかし姉の激しい嫉妬に阻まれて恋は叶わないまま終わった。とある。  
 この例えとおりに、
 小野小町は、本当に夢でしか会えない人を想っていたのかもしれない。

 思いが叶う夢よりも、叶わないもののほうが夢は価値がある。

 そして、数冊の本を読んでいるうちに白州正子「夢に生きる女」の題で書かれた小町の随筆を開いた。作家は、小野小町は夢にしか生きられない女であった。夢しか信じられない女であった。と書く。
 深草の少将 の百夜通いの話し(小町に百日続けて訪ねてくだされば、その愛を受け入れましょうと約束されたが、九十九夜にして力尽きる)は叶わぬ恋の話しであったが、それは例えで、小町が慕っても叶わぬ相手は仁明天皇であろうと推理する。以下、白州正子の本より、

 仁明天皇が「深草の帝」と呼ばれたことも注意していいと思う。当時の人々は天皇と小町のいきさつを知っており、藤原氏に隔てられた二人の悲恋を哀れんで、「深草の少将」という架空の人物を創造し、小町のもとへ通わせたのではないだろうか。この時代に、深草の少将という人物はなく、「百夜通い」の伝説の主が、仁明天皇ではなかったという証拠はどこにも無いのである。
(中略)してみると、紀貫之も天皇との仲を承知の上で、藤原氏に遠慮して(小町を衣通姫と例え)ただ匂わす程度に止めたのではなかったか。
  「夢に生きる女」白州正子 より     


 これはいい話しだ。彼女が伝説になって然りである。
 かなりイメージが固まってきた。もちろん模型の情景であり、背景である。ここでは、もちろん「からくり本」の新作のことを語っている。
 願わくば冥界と地上を行き来する、小野箼の娘であって欲しいが、どうにもよくあって孫らしい。

 そしてもうひとりの登場人物。在原業平もプレイボーイと知られるが、実は小野小町とよく似た叶わぬもののままに彷徨い歩いているのである。

 「からくり本」の情景は、そんな業平が小町を相手に歌読みをする場面としたい。あとは綺麗に作れるかどうかだ。これを作ってみせれば、澁澤龍彦な世界へも、ほんの少しだけ近づけるような気がするのである。

 もう11月。似合わず物想いに耽る夜も終わりにしなければならない。


最後に、
もうひとつ雑事を記しておこう。
 小野小町が全国各地にあることを不思議に思っていた。小野小町が終の住処としたという場所のある滋賀や京都、所縁のある東北各県だけでなく、鳥取、岡山、山口にもある。伝説が渡り歩いてそうなったのだろう。
 柳田国男の調べたものによると面白い答えがあった。
 小野氏は芸事に長け、その女達が白拍子などとなって各地を歩き、小町の伝説を歌い、舞ったという。そのうちに女達それぞれが小町自身として見られるようになり、彼女達が死んだ場所が小町の墓として伝えられたのだそうだ。

 こういう話しはとてもイイ。
 伝説を作って語ってその主人公に同化する。なんと幻想的、何人もの小野小町が存在したのなら、それはとても素晴らしい。

                          2011.11.11  
                   ぷけふぁらす

投稿: PUCEPHALAS | 2011.11.12 00:16

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