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2014.03.05

行くのだ。

 電車やバスに揺られてちょっと出かけるのは好きだ。短編小説2、3編を読んで着くくらいの距離がちょうどよい。ひとつの物語を読み終えたくらいに、街中から少しはずれて人家もまばらな海や山の景色が現れてくるとなおよい。

 けれど、先日の新幹線での移動は・・・度が過ぎていた。
 雪の少ない地方都市より出発した当日は早朝から雪で、新幹線は発車してすぐに停まった。雪の重みで竹がレールに被さったのを除去するそうだ。
 向かうは東。
 また眠気の残る目で眺める景色は真っ白。
 泉鏡花「天守物語」を読み終えてもまだ隣りの県に入っただけ。珈琲を啜りながら映画をつけ、ベネディクト・カンパーパッチ演ずる悪役の活躍を楽しみ終えても、列車はまだ半分しか進んでいない。
 ここはまだ西。
 東へ行くほどにひどくなる雪を、惚けたように外を見るが、景色は手前しか見えないので眺めるという表現も当てはまらない。
 色の無い景色がずっとずっと続く。
 こんなのは初めてだ。
2時間遅れで、東京駅に降りることができた。
 待ち合わせた友人は帰ってしまっただろうか・・・電話をすると
「寒い、吹雪」と返された。
 丸の内北口で、友人は外を指差して笑ってら。
 雪がだいぶ積もっている。さぁ、恵比寿へ行くんだろう?
当初の予定、お昼はマメブ汁を食べてから。を諦めて、主目的の恵比寿駅近くの美術館まで。
 伊藤若冲の「樹下鳥獣図屏風」を観るのだ。
 駅で地図を観て、こっちかな。と、再び、白の景色に足を踏み出す。歩いている人がほとんどいない。ここはほんとうに東京だろうか・・・
 
 だいぶ歩いたような気がするが、それは積もった雪のせいだろうか。重たい足では、なかなかに遠い。
 ようやく人と会ったので、場所を訪ねてみる。
 「歩いて行けますが、この足下のなかちょっと遠いですよ。バスを待たれたらいかが」親切に教えてくれた方の指は・・・・・どうしたことか、僕らの歩いて来た道を向いている。
 そう、反対方向に歩いていた自分たち。笑う・・・しかない。
 知った道をまた通るのだから、気分も楽なもの。
 建物の軒先ところどころに、雪だるまが飾ってあるのにも気づける。中にはおっきなものもあるし、雪を転がしている子供の姿も観られた。
 東京にいるんだよね? 
 
 熱い珈琲が飲みたい。普段は苦手な熱々なラーメンが食べたい。でも、寄り道はできないんだ。閉館時間が迫っているから。
 ようやく入館したとき、服に積もった雪で、自分が雪だるまのようだった。
展示品の「樹下鳥獣図屏風」は、コレ↓
           Puce

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