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2016.07.31

ツクモガミ  野 衾 (のぶすま)

百鬼之図.16  ツクモガミ  野 衾 (のぶすま)

原型・複製品着色  八木一文  SPICE-Oningyohan 
Tukumo16a_3
野衾とは、ムササビの呼び名で、古くには吸血し火を吹く怪獣とも怖れられていた。江戸時代には市中に現れて猫を襲って血を吸う姿が目撃され、人々を驚かせた話しあり。  浮世絵には宮本武蔵に退治される場面が描かれたものもある。
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さて、この妖怪、百鬼夜行絵巻には描かれる事が無く、唯一、河鍋暁斎の「暁斎百鬼画談」に登場している。これは百鬼夜行絵巻をベースにして、暁斎のアレンジを加えながら描かれたもので、登場するツクモガミ達はほぼ同じ並びなのである。そのお歯黒妖怪の段に、突如出現し、左手の鏡で照らしながら舞い降りてくる。
Nobusuma    
(「暁斎百鬼画談」より) 
Tukumo16e
その正体を僕なりに推測してみるとした。
巫女姿で鏡を持つので、アメノウズメを連想させる。アマテラス大御神に遣わされて、降りてきた神様だ。
とすると、なぜムササビに変化?
Tukumo16n Tukumo16o
三種の神器から探ってみると、興味深い話しに辿り着いた。恭しく匣に納まり祀られる宝物は誰も目にする事がない。しかしこれを観た人物がいるらしいのである。
時代は室町中期。御所から剣と神璽(勾玉)が強奪される事件がおこった。剣は取り戻されたが、神璽は後南朝の手にあり奈良・吉野の奥に隠された。

ここからは、花田清輝の小説「室町小説集」に因る話しなのだが、
それを守っていた、山ムラ御前(自天王・忠義王の母)が、匣を空けて中を観たらしい。その後、勾玉は小川弘光と赤松家残党によって奪還される。

「室町小説集」の一文によると、
山ムラ御前の観たところによると、それは、ムササビの爪とニホンカモシカの脊椎骨とに穴を開け、それらのものを藤蔓でつなぎ合わせた、いとも貧弱な首飾りにすぎなかった・・・

これを作者の勝手な想像とするには難く、そんな説がどこかで語られただろうと思う。瑪瑙や翡翠の勾玉も神秘的であるが、ムササビの爪となるとより古く原始信仰が濃く現れるモノとなりはしないか。
Tukumo16j
ここでツクモガミに戻って、これをムササビの妖怪変化ではなく、勾玉の正体・ムササビの爪、つまりモノの変化。付喪神として模型を遊び、僕は面白がっているのである。

模型全高 50mm  全長 100mm くらい。
                Pucephalas


この模型は、ワンダーフェスティバル2016夏 で、展示販売させていただきました。

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